年越しを香港で過ごしたり、実家に帰って生まれたばかりの姪に初めて会ったり、紙おむつ400枚をプレゼントしたり、iPhone7に変えてみたり、ついでに10年付き合ったドコモからソフトバンクに変えてみたり、3か月掛けてデュー・デリジェンスしたプロダクトがようやく社内の投資委員会を通ったり、友人の結婚式に出たり、レアジョブのチケットを消化するために毎日英会話していたり、なんやかんやと騒がしい毎日を過ごしていたら、気づけば2月になっていました。
当座は6月にある証券アナリストの2次試験に向けて、勉強をしていきたいと思います。無事に合格して英語の方にシフトしていければ良いな。
仕事の方では、さらにPEに関する理解を深めていきたいと思ってます。今回、ある程度基盤がしっかりした運用会社さんの新戦略1号ファンドのDDを担当させてもらえたんだけど、プロダクトの組成段階からかなり深く入り込めたから、とても良い経験になった。やっぱり、この業界にいると感じることは、"詳しい人(=情報をたくさん持っている人)"の存在が、投資家にとってだけでなく運用会社にとっても必要なんじゃないかなと思った。年金基金のポートフォリオの割合を見ていると債権と株式が9割近くを占めていて、PEは?というと、全体の1%くらいだ。運用会社サイドと投資家サイドの間に入って、両方を丁寧につなげられる人が育つと、お互いの理解が深まってこの業界はもっともっと発展していくんじゃないかな。
では、なぜそれが今までできなかったの?と言われればその理由は2つだと思う。一つは、単純に日本におけるPEの歴史が浅いため、機関投資家が納得できるようなファンドが育っていなかったためだろう。1990年代の終わりに日本で初めてバイアウト・ファンドを組成されてから、まだ20年くらいしか経っていないし、1つのファンドの期間は10年間なので、2サイクルくらいしか回っていない。アメリカで本格的なPEファンドが出回りはじめたのは1940年後半からだから、その歴史は日本の3倍以上になる。まぁ昨今の日本のマーケット見ていても、この点については時間とともに実績を積んだ運用会社やそこから独立した運用会社というプレイヤーの増加によって解消されていくだろう。
一方で、もう一つの理由が、PEファンドに詳しい人間が募集していなかったためなんじゃないかと思っている。PEファンドの運営会社は、10年というファンド期間のうちほとんどを会社の経営にあたっていたり(ハンズオン)売却先を探していたりしているため、資金募集は新しいファンドを組成するタイミングにしか行わない。通常、10年のファンド期間のうち、投資先企業を探す投資期間はだいたい4年くらいで、投資期間終了後に次のファンド組成を考え始めるのが一般的だ。なので、ファンド運営会社自体に募集専門の人間を配置しないケースの方が多くて、たいていファンド募集時だけ運用担当者が投資家を回ることになる。これに対していつでも募集できる投資信託であれば、なんとか証券とか銀行みたいな販売会社の機関投資家営業部みたいなところに所属する強力なマーケティング・モンスターたちが販売にあたっているため、運用と販売がそれぞれのプロに分担されている。
もちろんPEファンドの募集を証券会社が担っているケースもあるが、その場合はヘッジファンドや不動産もひっくるめてオルタナティブ投資戦略の一つとしての位置づけだ。そもそも日本語での情報量が不足しているPEファンドは、営業マンにとってもよく分からないものだろうし、そんな状態で投資戦略や目標リターンの話をされても投資家にとっては「?」となって当然だろう。海外はどうしているかっていうと、PEファンド専門の販売会社が存在していて、その人たちがグローバルに募集活動を展開している。ただ日本には日本語と金商法という大きな障壁が存在しているために、グローバルに展開している募集業者はなかなか入って来にくい。
ここまでの点を鑑みるに、この課題の解決は前述の日本人による"詳しい人"が必要なんじゃないかなと思っている。ただでさえ情報を掴みにくいPEをきちんと理解した人が投資家に説明することで、投資家にとってのリスクは小さくできるだろうし、バーゼル対応に向けたルック・スルーや毎年の受給者対応に向けたインカム型戦略といった投資家側のニーズを運用会社に伝えることで、より投資家にとって好ましいプロダクトが出来上がるんじゃないかな。
変な話、大きいものだと1兆円クラスのファンドを運用していて、運用会社のパートナーになると何十億って巨額の成功報酬が手に入ったりする運用サイドに比べると地味な役割かもしれないけど、必要な仕事だと思うんだよね。
何の話をしてたんだっけ?そんなこんなで、本年もよろしくお願いします。
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