カンブリア宮殿でレオス・キャピタルワークスの藤野さん(慣れ慣れしく読んでいるけどまったくの他人)の特集がやっていて、結構感銘を受けたから記録しておこう。口調が堅苦しいのは仕事口調だから悪しからず。
藤野英人さんは野村アセット→JPモルガン→GSにてファンド・マネージャーを経験。年収が3分の1くらいになるのを厭わず、自分なりの運用がしたいとの想いからレオス・キャピタルワークスを創業。同社の旗艦ファンドであるひふみ投信は2011年の設定来268.1%(同時期のTOPIX 65.4%)のリターンを上げている。
注目すべき特色は、足を使って情報を得る企業分析にある。中小型株運用でキャリアを築いてきた中で面談をした企業は6,000社に及ぶらしい。この中には、創業当時のソフトバンク、ファーストリテイリング、ニトリといった企業が含まれている。ちなみに藤野さんがファーストリテイリングと接触したのは、まだ広島証券取引所に上場している時代だった。
この”足を使った情報収集”に重きを置くスタンスは、彼が野村アセット(当時の野村投資顧問)にいた時代に由来している。当時、大塚家具による有明大規模ショールーム建設の話しを受け同社への投資を検討していた矢先、青島都知事による都市博中止の決定が下される。「ゴーストタウン化する」という周りからの批判を受け、大塚家具への投資を再度検討せざるを得なかった状況下で、当時運行したてだったゆりかもめに乗って何度も建設予定であった有明に足を運んだ。あるとき、有明から対岸に見える東京の夜景を見たことをきっかけに、「お台場は必ず観光スポットになる」ということを確信し、周囲の反対を押し切って大塚家具への投資を実行。その後、有明のショールームは大盛況となり、大塚家具の株価は3倍となった。
現在、ひふみ投信は2016年にお家騒動で話題となった大塚家具に投資を実行している。メディアをにぎわせた現社長大塚久美子さんの家具への情熱が投資の決め手だったという。会社訪問時に熱心に自社製品を自ら説明する久美子さんに、ひふみ投信の個人投資家は「もっと増額をしたい」と強気のコメントを寄せる。
同社のホームページ上には、運用チームの顔写真とインタビュー形式のプロフィールが掲載されている。個性豊かなメンバーではあるが、足を使って得られる情報に重きを置くという姿勢は共通しているように思えた。「資本市場を通じて社会に貢献する」という理念は半年かけて作り出されたという。シニア・アナリストの渡邊さんがサイト上で語る「私にとって投資とは、社会で起こる様々な変化を感じることができて、そこからいろんな方向へ思考を広げていける、知的好奇心にあふれた“場”です。」という言葉には強い共感が持てる気がした。
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藤野さんがこれまで訪問した(投資をしただったっけかな)企業は6,000社を超えるんだって。オフィスの棚にはこれまでの企業分析で使った書類が分厚くファイリングされていたのが印象的だった。やっぱり楽な道のりはないんだろうなー。ファンドのアナリストだって同じようなことができると思うんだよね。 「足を使って現場を知る」は中小型株式運用のアルファの源泉。これはファンドのDDにも応用できると思うんだよね。
↑藤野さんが経営されているレオス・キャピタルワークスはココだ!
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