Latest memo from Howard Marks: Expert Opinion


専門家の意見があらゆる場所で溢れている世の中で、何が正しくて何を信じればよいのかについての意見。 

ドナルド・トランプが大統領選挙で勝利する前、大抵の世論はヒラリー・クリントンが勝利すると考えていた。この場合、世論のサンプル抽出方法に何らかの誤りがあったと考えられる。また、トランプが大統領誕生によるマーケットへの影響は?という将来の予想が多くの専門家によって披露されたが、NY株式市場の最高値を予想した人間がいただろうか。

 では、別の専門家の観点として、スポーツではどうだろう。ニューヨーク・ポスト誌の「NFLベッターズ・ガイド」に掲載されたフットボールの専門家11名によるシーズン予想は、正答率55%という結果になった。つまり専門家がひねり出した予測も、コイントスによって導かれた結果も対して変わらないということだ。

 FRBの利上げは?マーケットの見通しは?マクロ経済の行方は?

 これらの質問に対するハワード・マークス氏の回答は、「How would I know, and why do you care?」らしい。確かに将来のことは誰にも正確に見通せるわけがないし、その国の展望を聞かれてもその国に住んでいる人間の方が詳しいに決まっている。また、予測を披露されても、その情報によって何が変わるのだろうか。彼が言うように、見解を持つこととその見解は正しいと確信を持って行動することは別問題だ。

 最後に、70年代からの友人である投資銀行のアナリストの話が掲載されている。データを分析し、自分の見解を持つことはするが、将来に関する予測について意見を述べることを辞めたという。マクロ経済の未来は誰にも分からないし、そこには落とし穴が存在している。このことはウォーレン・バフェットとハワード・マークスの投資行動において合意を得たものだった。分からないことを「分からない。」ということは、最も勇気が必要なことではあるが、ある意味で最も誠実な対応なのかもしれない。

 I never think of the future – it comes soon enough. 

 – Albert Einstein 

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